藝道日記。(平成 10/04/07)
平成十年四月七日。


 夜、事務所件住居で二ヶ月に渡って無報酬で仕事を手伝ってくれた友人が学校の春休み終了に伴い帰国するので、空港まで見送りに行く。同じ便で四ヶ月以上近所づきあいをしていた奥様も帰国なさるので、見送りの人数が六人という大人数になる。奥様は人気者である。

 いつものように浴衣で空港に行くが、いつものようにファンの方からいただいた赤い鼻緒の雪駄を履き忘れてビーチサンダルで行ってしまい悔しい思いをする。しかしそれでも空港にいる日本人の視線が熱い。
 


 そのうち面と向かって、日本人のオヤジに「何でタイで浴衣なんか着てるんだオマエは」などと怒られそうな気配すら感じる。そう言うことがあったときのために、気の利いた回答を考えとかなければいかんな、と空港内にみちみちた好奇の視線を感じながらそう思う。

 ところで、いつも思うのだが、バンコク市内で食べるバーガーキングのワッパーよりも空港内の方が上手いような気がするのは何故だろう。


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