藝道日記。(平成 12/08/24)
平成十二年八月二十四日(木)。

   
 某企業の社長さんに会って、TNCの例会に行くため、首都に出る。

 接続のアカウントが切れたので新しいものを買いにパンチッププラザへ。アカウント四十時間四百バーツ。ついでにシーデークリーナー約九十バーツも買う。

 歩いてバス停まで向かう途中、グッドパンツ、と後ろからオヤジに声を掛けられる。十七年穿いてる母親から買って貰ったものだ、とタイ語で言うと、オヤジはお前泰語喋れるのか中国人だと思ったどこの人間だ、と訊くので、にっぽん、と答える。
   

   
 相変わらずオヤジは英語で喋り続けそれはそれで何の差し支えもないのだが、幽体離脱して客観的にみたら酷く不自然なわたくしたち状態なので、おっちゃんタイ語で喋っていいんだよ、というとオヤジは、俺は母親がフィリピン人のシンガポール人だ、と言った。あらそうなの。

 君の話が聞きたいからちょっとそこでお茶でも飲もう、とその何となく雰囲気が和田勉に似ているオヤジは私を誘ってくれたのだが、あいにく時間がないので、メアドだけ渡してさよならし、わたくしはその場を去った。さて、おやじからメールは来るだろうか?
  



 某企業の事務所に行ってお仕事のお手伝い。

 TNCの例会に行く。今回は予習が上手くいったので精神的余裕を残したまま終了。

 バンランプー経由で帰る、ついでだから生米通りの皆さんに顔出しておく、皆さん私を見て、やせた、と驚く。

 するとどこからともなく現れた某サイヴァーカフェネットワーク管理者に捕まる。

 管理者はえらく機嫌がいい。奥にはいるとひとり、日の丸国籍のメスがいて、楽しそうに話しているので、ははあ、新しいのが見つかったんだ良かったなあ、と思う。
   

   
 と、おもったらその日の丸メスが、のぼるさんですよね、なんか見た写真と違いますねえ、とおっしゃる。あらこれは何だお客様か、と思い、いつも見ていただいて有り難うございますこれからもご期待に応えられるよう精進しますと言いながら深くお辞儀をしたが、見た写真と違うと言われてもどの写真を見たのか皆目見当がつかないので話が全然噛み合わない。

 そしてその噛み合わない会話の応酬に不自然さを感じたのか、その女性が席を外したので、わたくしは管理者にいろいろときいてみた。どうやらサイトからの情報以上にわたくしのことを知っているみたいなのだ彼女は。謎だった。おそらくこいつがいらんことゆうてるかもしれないとわたくしは思ったのだ。管理者は彼女の名前をまずわたくしに告げた。
  


   
 その瞬間私の頭が激しく混乱し、この管理者によって過去二晩に渡ってぶちまけられた愚痴が幼少時の精神的外傷のように蘇ってきて、どうしてうそをつくのですかどうしてうそをつくのですかどうしてうそをつくのですかどうしてうそをつくのですか、と管理者が蟹カレー屋で携帯に向かって叫んだどう考えても通じないアクセントの日本語が頭の中にリフレインし始めました。

 どうかんがえてもわたくしが過去心配した事実とかいろいろとそんなものが無駄になったような気がして釈然としないのですが、ヨリを戻したんだったらそれはそれでお幸せなことですので、おめでとうございます。でも何か損した気分です。
   


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