藝道日記。(平成 12/11/04)
平成十二年十一月四日(土)。

   
 徹夜明けでハイになったままずっと仕事をしていたのですが夕方になってとうとう毀れました。

 毀れたわたくしは港町十四番地号を駆り、工場裏ジャングル集落の雑貨屋でRCコーラ五バーツを一気にストローで吸い込みました。微カフェインを蹴り込んでなんとかしようと思ったのですが、何ともなりません。
 
   

 完全に幽体離脱状態で港町十四番地号を走らせていたのですが、気がつくとジャングル集落の道、あちこちに穴が開いております。大体この集落の道というのは高床式の鉄筋コンクリート製なので、いくらバイクより重いものが走ることはないとはいえ、度々穴が開くのです。


 


   
 しかしこの一週間わたくしが南部に行っている間に、夥しいほど穴が増えております。何か起こったのかと邪知したくなるほどです。とりあえず集落を抜けたわたくしは農民銀行で百バーツきっかり下ろしました。そして毀れ状態加速したまま、。
 
   

鶏ガラ 七バーツ
冬瓜 十四バーツ
豚レバー百グラム 一〇バーツ
(ただしおばちゃんの機嫌が良かったのか値段は百グラムでもどう見ても二百グラム分はある)
豚モツ二百グラム 一〇バーツ
クンチィエン(潮州甘味肉詰) 七バーツ
葱一束と葱とパクチーセットのヤツ一束 五バーツ


 


   
 と総額五十三バーツの食材を一気に購入。買い物籠満杯の港町十四番地号をうちに向かって発進させたのです。しかし、途中でペダルがこわれました。ビスが抜け、ペダルが本来そうなっていなければならない、
└╋┐の状態ではなく、
┌╋┐、の状態になってしまったのです。

 わたくしは後部についている二人乗り用シートに腰掛けて地面を蹴り、近くのバイク屋まで港町十四番地号を走らせました。言ってみたら座れるキックボード状態です。
 
   

 バイク屋で玄翁を借り抜け落ちたビスを変形するくらいまで叩き込むとわたくしは部屋に戻りました。七輪に火をおこし、レバーと豚モツを塩胡椒で焼きました。鶏ガラは鍋で煮ます。

 通常時の実に二食分であるとんでもない量のご飯が炊けると、わたくしは小さく切ったレバーと豚モツのうち、豚モツだけを電気鍋で炒めました。こうすれば脂が出るのです、と言うよりわたくしの仕事場には食用油がありません。


 


   
  心ばかり油が出たところにわたくしはクンチェンを刻んで投げ入れ卵と一緒に炒めました。そしてひたすらその豚モツ豚肝肉詰炒めをご飯と一緒に胃袋に放り込み続けたのです。

   

 そして冬瓜スープを茹でながらなだらかな睡魔がバタフライで近づいてきました。スイマーズのご来訪です。この場で眠ってはまずいと思ったわたくしはミニマートに珈琲を買いに行きました。
 

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