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11月07日 ミスター・デンジャー プロレス危険地帯 松永光弘 長崎出版 |
11月23日 修斗創世記 虎の奥義を目指して 横山哲雄 福昌堂 |
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11月07日 ミスター・デンジャー プロレス危険地帯 松永光弘 長崎出版 |
松永光弘は常識人である。何よりも彼の文章が常識的で簡潔であり、筋が通っている。やっていることは有刺鉄線に身体ぶつけたりサソリに刺されたり、火炎放射を受けたりバット振り回したりとおよそ常識的とは思えないのだが。それでも客を満足させる、と言う点に関して彼は紛れもないプロだし、プロとして考え方の基本が出来ている。故に、この本はただの暴露本でも自己正当化でもない。 |
11月23日 修斗創世記 虎の奥義を目指して 横山哲雄 福昌堂 |
ここ15年くらいの格闘技界の流れがわかってないと何がなんだかわからない本。主人公こと作者は行動の結果だけを見れば分裂的なのだが、物事に執着がなく何となく男らしく好感が持てる。単なる暴露本的意味合いを含んだ自慢話かと思いきや、終盤、意外な事に日本近代私小説の様な心身症的展開になる。自律神経を病んだ人間の感覚を表現するには、一度自律神経を病んで、恢復した状態から病んでいる自分を客観的に俯瞰する必要がある。そうでないと表現が空々しくなるからだ。その意味でこの作品の引きは意外でもあったし、唐突にも思えたが、この先この本を書いたことによって作者が再び病んでしまわないか心配である。 |
平成11年11月の順位 |
一等賞 |
11月07日 ミスター・デンジャー プロレス危険地帯 松永光弘 長崎出版 |
弐等賞 |
11月23日 修斗創世記 虎の奥義を目指して 横山哲雄 福昌堂 |
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