よいこの読書日記−平成11年12月
読んだ本
12月05日 真剣勝負論 ――戦いの真実         藤原敏男   辰巳出版
12月19日 雨のみちのく・独居のたのしみ        山本周五郎  新潮文庫
今月の順位

12月05日 真剣勝負論 ――戦いの真実         藤原敏男   辰巳出版
 評論というものは致命的な欠陥を孕んだ表現形式である。それは基本的に論者に結果を求めずにすむからである。故にたいていの評論は、じゃお前がやってみろよ、の一言のもとに完全に否定される。
 例えば小池聰行社長がオリコン一位になったり、井崎修五郎が騎手として菊花賞トップで入ったりすればそれはそれでかっこいいかもしれないが、そんなかっこいいことが出来る人はなかなかいない。それだからこそ結果を出した人間の言葉は重い。ある意味結果さえ出せば何を言っても許されるのだ。そういう意味で、藤原敏男は日本の中でムエタイについて何を言ってもいいただ一人の人間である(日本に帰化したシンサック氏は便宜上除く)。彼に関する本は多く出ているが、今回のこの本は非常に簡潔でいい本だった。
12月19日 雨のみちのく・独居のたのしみ        山本周五郎  新潮文庫
 どうして昭和初期がらみの随筆というのは私をこんな風にある種やりきれないほのぼのとした雰囲気の中に置き去りにするのでしょうか? でもそう言ったものを見つけて読んでしまうのは、私がそう言った雰囲気を定期的に求めているからに他ならないのでしょうか?
 私は山本周五郎の著作を今まで読んだことがなかったのですが、こんなにワインについておいしそうに書かれた文章を読んだことがありません。山本周五郎という人はきっと川島なお美より高いワインは飲んでいないかもしれませんが、川島なお美に劣ることないほどワインについて思い入れのある方だと思いました。
平成11年12月の順位
一等賞
12月19日 雨のみちのく・独居のたのしみ        山本周五郎  新潮文庫
弐等賞
12月05日 真剣勝負論 ――戦いの真実         藤原敏男   辰巳出版
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