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11月01日 泡の女 笹沢左保 徳間文庫 |
11月12日 蒼氓 石川達三 新潮文庫 |
11月13日 ダンス・ダンス・ダンス(上) 村上春樹 講談社文庫 |
11月14日 追放と自由 李恢成 講談社文庫 |
11月16日 ダンス・ダンス・ダンス(下) 村上春樹 講談社文庫 |
11月22日 評伝 中上健次 高澤秀次 集英社 |
11月31日 アンナ・カレーニナ(上) トルストイ 新潮文庫 |
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11月01日 泡の女 笹沢左保 徳間文庫 |
ソープランドものかと思いました題名を見て当然。しかし至極まっとうな推理小説でした。通常の僕ならここで、紛らわしい題名つけて混乱させやがってえ、とご機嫌真横になるのですが、この作品は珍しく語りの視点が日本のいわゆる職場、と言われる事務的空間で仕事する市井の人たちに対して良く分析してあってそれが妙にツボにはまりました。初めて読んだけど、笹沢左保また読みたいなあ。 |
11月12日 蒼氓 石川達三 新潮文庫 |
どうして海外に行こうとする日本人はこんなにダサいんだろう、と思う。集団でいろいろな希望を持っていたとしてもひとたび固まると凄くダサい。これじゃヤングの読者が思慮浅く電波まみれでお花畑の中にいながらもひとりで渡航する落合ノビーに憧れてしまう理由があらためてわかったような気がする。しかし、どう文脈を判断してもインド人、である登場人物を、黒人、と表記しているのには新鮮な驚きと共に時代的背景を色濃く感じた。 |
11月13日 ダンス・ダンス・ダンス(上) 村上春樹 講談社文庫 |
読むのは確か三回目。読んでてむかつくんだけど巧いなあ村上春樹。今回は特に場面展開の巧さが目立った。しかし読んでてむかつく。根拠はまったくないが、もしかしたらこの作品が時代的にバブルという概念を許容し、日本の皆さんが歪むのに一役買ったような気がして更にむかついた。 |
11月14日 追放と自由 李恢成 講談社文庫 |
ゆうてみればいわゆる在日朝鮮人もの。しかし、全然そのような感じがしない、というより、最近在日もの、といわれる属性を持つ作品がいささか紋切り型になっているような気がした。この李恢成にしても、別に設定が在日でなくてもちゃんとそれなりに話が成り立つような気がする。話としては面白いけど俺在日だからついでに在日にしちゃえ、って感じで作ったとしてもいっこうにおかしくない。この作品は基本的に設定がとても自由だと思う。ドストエフスキーっぽい悪態まで自由。 |
11月16日 ダンス・ダンス・ダンス(下) 村上春樹 講談社文庫 |
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11月22日 評伝 中上健次 高澤秀次 集英社 |
バイトの面接帰り、アポもなく先生に挨拶に行こうかと思ったら先生はいらっしゃらず仕方なく県立図書館で仕事しようと思って図書館に入ってパソコンを開けたが、なんとなくメールを書く気もしなかったので、結局図書館にあったこの本を読むことにした。評伝なのか評論なのかはっきりして欲しい、と読みながら思ったのだがよくよく考えてみたら僕は評論と伝記と評伝の違いをよくわかっていないようだ。僕が期待していたのはポプラ社の児童伝記シリーズのようなものなのだろう。 |
11月31日 アンナ・カレーニナ(上) トルストイ 新潮文庫 |
とりあえず十九世紀露西亜の長いお話は心して読まなければならない。なぜならそれは、僕がアルツだからなのだ。まず露西亜のお話は人一人に幾通りかの呼称があって、それをいちいち覚えていかないと誰が誰か解らなくなる。どうしてそんな面倒な集中力を払ってまで読まなければならないのかというと、大体どの作品も読むだけの価値があるほど面白いからなのだ。僕は五年ほど前、OL時代に総武線の中で毎日ドストエフスキーの長編を読みながらこの十九世紀露西亜の長いお話とうまくお付き合いしてゆく方法に気がついた。それは、今出てきた名前が誰か解らなくても、そのまま読みすすめる、と言う方法である。そうするとなんとなく誰が誰か解りかけたり解らないままだったり、で読みながらミステリー的な楽しさを味わうことが出来るのだ。 |
平成12年11月の順位 |
一等賞 |
11月14日 追放と自由 李恢成 講談社文庫 |
弐等賞 |
11月01日 泡の女 笹沢左保 徳間文庫 |
次点 |
11月12日 蒼氓 石川達三 新潮文庫 |
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