よいこの読書日記−平成12年12月

各リンクは読み込みが完了してからクリックして下さいね。(司書より
11月↑
 
01月↓
読んだ本
12月01日 ブルーもしくはブルー            山本文緒 角川文庫
12月02日 風と拳―小説・大山倍達《雄飛篇》    大下英治 廣済堂文庫
12月03日 神のこどもたちはみな踊る         村上春樹 新潮社
12月19日 アンナ・カレーニナ(中)          トルストイ 新潮文庫
12月25日 息子と恋人 上巻              D.H.ロレンス  角川文庫
今月の順位


12月01日 ブルーもしくはブルー            山本文緒 角川文庫
 当時まだ二十歳前のはじめっち様が薦めていた本。さすがにはじめっち様が薦めるだけあって面白かったです。どうして面白いか考えてたのですが、東京と福岡で同じ年の同じ女が普段送っている日常の対比が素晴らしくリアリティがあったからだと思います。そうなのです、工場でパートしたりするのは結構楽しいのです。
12月02日 風と拳―小説・大山倍達《雄飛篇》    大下英治 廣済堂文庫
 前編は一年ほど前に読んだのですが、何故か続編があったので貰ってきました。途中から明らかにフィクションになります。それがとても素晴らしいアクションドラマなのです。まあ、伝説自体が梶原一騎の電波にまみれたおなじみのフィクションである故、わたくしはもう慣れっこではあるのですが、過去自分や自分の師匠たち、数々の先輩達がこの電波まみれの伝説に騙されて空手道を始めた事を思うと一概に否定してはならない作り話であることは間違いありません。
 少なくとも今の私がこうなった理由の数パーセントはこの作られた伝説のお陰であることを思えば、感謝すべきなのでしょう。過去を否定してはならないのです。
12月03日 神のこどもたちはみな踊る         村上春樹 新潮社
 なぜかこれがここにあったから読んだ。買ったわけではない。初めて読んだ三人称の村上春樹。
 連作短編集、と言うことになっているが全部が地震に関わる話、と言うだけでどこが連作なのかよくわからない、と、言うより連作短編、と言う言葉をはじめとしてわたくしは日本にははびこるいわゆる文学用語、というものがよくわからない。
 で、この短編集なのだが、わたくしは初めて村上春樹の作品を読んで、こんな仕事やりたくない、とは思わなかった。でも、やりたい、とも思わなかったけど、やってもいいかな、とは思った。多分それは村上春樹の書いた三人称のせいだと思う。
12月19日 アンナ・カレーニナ(中)          トルストイ 新潮文庫
 別れちゃって子供産みやがりました。相変わらず人がいっぱい出てくるので人の名前をメモしてゆきました。なんとかお話の流れがわかるようになりました。なんかすごく社交界の話みたいです。労働者階級藝人としてはとりあえす作品世界にケッと唾吐いて軽く罵倒したいのですが、細かいところが上手ですトルストイ。アンナさんは大変なんだなあ、と心から思いつつうつろうつろうつろうつろと寝ながら読んでしまい、読了した日にJR車内で登場人物メモを無くしました。また振り出しです。
12月25日 息子と恋人 上巻              D.H.ロレンス  角川文庫
 おとーさんは炭坑夫。おかーさんはヒステリックな上昇志向を持つお嬢さん。で、主人公はその二人の間に生まれるのですが、あまりお金に執着しない価値観を持った芸術家嗜好の子供に育ちます。
 このお話は二十世紀初頭のイギリス人が書いたお話なのですが、小さいお金の金額がちょこちょこと書いてあって登場してくる人がよくその額に執着したりします。でも、読んでいる私には一シリングがどのくらいの価値なのかはわかりません。そうやって考えてみると私が日々一喜一憂しているお金の額、というものはどうでもいいものではないかと気持ちを新たにした次第です。

成12年12月の順位
一等賞
12月01日 ブルーもしくはブルー            山本文緒 角川文庫
弐等賞
12月02日 風と拳―小説・大山倍達《雄飛篇》    大下英治 廣済堂文庫
次点 
12月03日 神のこどもたちはみな踊る         村上春樹 新潮社
11月↑
01月↓
E-mail
(C) 2000 SHIRAISHI Noboru