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02月03日 ブッテンブローク家の人びと(下) トーマス・マン 岩波文庫 |
なんかね。別に家柄捨てて落ちぶれたって別にかまわないじゃん、って気になった。でもそんな風に開き直ったらお話として成立しないんだろうなあ。でも、三冊合わせてみればよくできた一流の長いお話だと思う。ええ仕事してはるなあ、トーマス・マンって。 |
02月04日 ピアッシング 村上龍 幻冬舎文庫 |
よくできてます。怖い話の筈なのに笑えるのはどうしてでしょう? 島尾敏雄の『死の棘』みたい。『死の棘』に関しては、笑える、と言う私の意見に同意して下さる方はあまりいらっしゃらないので、自分の感覚に懐疑的になったりもするのですが、この作品は私以外の皆様も結構笑って読んでいらっしゃるのでは、と思いますけどどうでしょう? |
02月11日 同じひとつのドア ジョン・アップダイク 新潮文庫 |
どうもダメだ。カーヴァーもそうなんだけど、こういった感じの現代米国珠玉の短編、みたいなのはどうもハマらない。それは私が現代米国と言うものにある種の嫌悪感を感じているせいもあると思うが、現代米国、と言うものを定義してみろ、と言われてもおいそれとそんなややこしいことは出来るはずもなく、そうそういつまでもはっきりした米国という朧気な属性区別を基準に差別し嫌っててもいられないので、次に読む現代米国ものは襟を正して読むことにします。私は今年、米国に対する偏見を極力なくすようつとめることにしました。 |
02月12日 風と拳 小説・大山倍達〈修行編〉 大下英治 廣済堂文庫 |
実は、私は一応、大山倍達の曾孫弟子に当たります。だから、当然この人の伝説については名作漫画『空手バカ一代』を読んだり、師匠から直接教わり感じたりするものとかからの予備知識がありますので、今回はきっと大下英治の藝を楽しむ、と言う形になるのだろうな、と思ったのですが、それは大きな間違いでした。 |
02月19日 伝奇集 J.L.ボルヘス 岩波文庫 |
ほとんどバンコクに出てくるときのバスの中で読んだが、かなり頭を使った。そのボルヘス特有の頭の使わせ方具合が私にとって凄くここちよくはあるのだが、くそ暑い熱帯で読む本ではない、と言う結論に達した。冷房の効いた図書室で読むのがベストだと思う。 |
02月22日 拳豪伝 津本陽 講談社文庫 |
大山倍達総裁もめちゃくちゃでしたが、この和尚もかなりめちゃくちゃです。一応ストイックな時期もあるのですが、全体的にめちゃくちゃな印象しか残らないのは何故でしょうか? |
02月25日 人生論 トルストイ 新潮文庫 |
いい作品をのこす方に好き勝手なこと喋らせてはならない、と言ういい見本。だいたいこの手の人は言いたいことをまとめたり、整理したりするために作品を編んだりするのだろうから、言いたいことを言わせたらあちこちに矛盾点が出てくるのは明らか。 |
02月25日 龍の子太郎・ふたりのイーダ 松谷みよ子 講談社文庫 |
龍の子太郎ドラゴンボール的な話ではあります。が、しかし、読後はなんとなく政治的に左、って感覚が残ります。なんか物語的には腑に落ちるんですが、太郎のモチベーションに若干納得がいかないような気もしました。ふたりのイーダ |
平成12年02月の順位 |
一等賞 |
10月11日 ブッテンブローク家の人びと(上) トーマス・マン 岩波文庫 |
弐等賞 |
02月19日 伝奇集 J.L.ボルヘス 岩波文庫 |
次点 |
02月04日 ピアッシング 村上龍 幻冬舎文庫 |
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