AG様に御礼を言い、食事に誘われるがナコーンシータマラートから戻ってきているアタル様と約束していたことを思いだし、アタル様の宿に行く。部屋のドアをノックして入るとウルトラマンのお面を被って出迎えてくれる。相変わらずのボケに面白いと言うより懐かしさしか感じない。
アタル様はこの半年間に南部のナコーンシータマラートで四KOを含む六連勝の負け知らずという結果を残したが、怪我が治らないので治すためにいったん日本に帰る、と言うことだった。
|
 |
膝とか肘とか腰とか痛めている箇所はたくさんあったが、一番酷いのが、試合で前蹴りを蹴ったときに相手の前歯で切った足の裏の傷だという、もうすっかり塞がってはいたが、それは見るからに広い傷口だった。触ってみると明らかな異物感が感じられる。
マウスピースしてなかったんだ相手、と言うと、ええ、でも俺もしてませんでしたけどね、とアタル様は笑って言う。なんか、いつまでたっても痛みが引かないんでちょっと切ってみたら膿が出てきたんですよ、縫わないでいい、ってジムの人に言われたから縫わんかったんですけどね、と言う。
|