藝道日記。(平成 12/06/17)
平成十二年六月十七日(土)。

 七時半起きメールチェック。データ整理御裁縫。

 九時頃目玉焼きご飯食べる。シイユダムかける。食ってる途中来訪者。隣の工場、私の身元保証人である社長令息から日本語の手紙が運ばれてくる。

 用件をかいつまんで言えば、てめえが日本から船便で持ってきて、もう何年も工場の片隅に置いたたまになっている一〇〇キロ以上の本を中心とした荷物を置いてる場所をこの度改築して物置にするから運び出せ、とのことらしい。


かけるべきでは、
なかった。


ずっとこんな感じの道。


 とりあえず電話。しかし社長令息工場にはいず、携帯に電話。

 犬に電話。御裁縫。

 十二時メールチェック。

 十三時精神的に多少毀れたのでデジカメとキャッシュカード持ってお出かけしようと思ったら犬から電話。しばらく話してのち部屋を出てチャリに乗る。脇道に入り、場脇の湿地帯集落を走る。ここは簡単にいえばドブの上に集落が建っているようなところ。
 



 ガードレールがない道から落ちたら即ドブまみれなので、緊張して自転車を漕ぐがこういったところに身を置くとまっとうに生活されている地元の皆様からエネルギーを分けていただいているような気がして凄く落ち着く。

 じきにメインストリートに出る。運河そばとメインストリートの近くに木材屋が多い。おそらく港が近いから運ばれてきた木材をここで裁断して売っているのだと思う。
 


確かにこの店は
美味いのだが、


冷静に考えてみると、
食い過ぎだと思う。

 いつもバンコクに出るとき自転車を預かってくれるおばちゃんの食堂でウインナー乗せご飯十五バーツと豚肉大蒜揚げご飯二十バーツを食べる。いきなり、仕事はなんだ? と屈強なおばちゃん達に囲まれいつも肩身が狭そうな食堂のおっちゃんが聞いてきたので、言語藝人、文章書いたりしてる、と答える。

 おっちゃんはさらに、この街でやってるのか? と聞くのでそうだと答えると、俺もその仕事一緒に出来るか? と聞く。どうやらおっちゃんは屈強なおばちゃん達に囲まれて皿を洗ったりするここの仕事に嫌気がさしていて転職を考えているらしい。私は、一人でやってるからダメだし、収入はない、金にならないよ、と答えておいた。
 



 私は最近この種の、自分の職業属性について質問されても全然困ることはない。泰語力が上達したということもあるが、言語藝人、と言う属性泰語でをちっちり主張出来るくらい人間的にも土台がしっかりしたからだと思う。

 暇潰しにタイ語チャットで新しい女子大生メル友でもゲットするかと思い、ネット屋に行く。一時間三十五バーツ。が、システムがイカれていてフリーズしまくり、結局諦める。もちろん料金は払う必要ない。またよろしくね、と言われネット屋から出る。

 戻ってダラダラと御裁縫。ずっと御裁縫。二十三時に犬に電話するがいない。横になって読書。
 

 


 

平成十二年六月十六日(金)に戻る。

平成十二年六月十八日(日)に続く。
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