そしてすぐに食う。毀れたまま通りの角まで歩く。雨が降り始める。角に自転車リヤカーを駐めていたおかず屋のおばちゃんに、今日は何があるの? と聞くと、鶏肉巻きカレーが二十バーツで、ニガウリ肉詰めスープが一〇バーツ、と言われる。カレーを注文。
あんたたくさん食うでしょご飯一〇バーツ分盛ってあげるからね全部で三十バーツよ、とおばちゃんは私の了解もなく近くにあった汁そば屋からどんぶりを借り、ご飯を盛りはじめる。ものすごい量である。
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私はそのすっかり冷えたカレーの上にどかっと乗せられている鶏肉巻きをスプーンで切り取った。中に牛蒡が入っている。美味い。しかしとにかく量が多く、持て余しかけていると、おばちゃんは、あんたあたし水出してあげらんないからこれ飲みなさい、と更にどんぶりにニガウリ肉詰めスープをよそって出す。
私が礼を言うとおばちゃんは自転車リヤカーを押しながら去っていったが、私が覗き込んだときにはカレーもスープもまだかなり残っていた。時間的にこれから全部売れるとは思えない。
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