藝道日記。(平成 12/10/09)
平成十二年十月九日(月)。

   
 朝から姐さんの作ったシイユダームチャーハン目玉焼き乗せを美味しく戴いてメルマガサイト製作更新。午前十一時に村を出ました。そして昼過ぎくらいには入管に行ってスタンプを押して貰い緬国入国。

 入国後多少ウインドウショッピングなどとしゃれ込んでみました。しかしそこに並んでいるものがわたくしのなかのいろいろなものを誘発し、わたくしがここで売っているものの情報を発信したことによっていろいろな事態が現地に起こるのはなんとなくよしとしないのでここで何を売っていたかはひみちゅ。
   


 で、わたくしは一軒の楽器店でピックを買ってしまいました。どう考えても泰国内より安い中国製の楽器群に囲まれてわたくしは、次回来たらギターを買ってしまうのだろうな、と思ったのでした。

 ハイになったまま泰に再入国したらターミナル行きのソンテウで日本人学生二人と一緒になりました。何故か凄くハイでテンション高く、喋り続けているわたくしにそのうちの一人が水をくれました。有り難う。
  


   
  チェンラーイ行きのバスに乗ると来るときと同じメンツがいました。一人は欧米系のにーちゃん、あとは泰国籍のお姉ちゃん二人です。ふと我に返るとわたくしは読みかけの本を鞄の上に落としたまま眠っておりました。

 そして目の前には国境警察。わたくしは寝ぼけたまま赤い旅券を国境警察にとっとと見せます。しかし、隣のお姉ちゃんは国民身分証明書を見せようとはしません。もしかしたらこの娘は密入国してきた緬国籍なのかという疑念がわたくしの中に撒き起こります。

 あんたそがんみせんとやったら、ちょっと降りて署内に来てもらわんばいけんとよ、とちょっと恐い雰囲気で国境警察の人がおっしゃいます。当然長崎弁ではなく泰語で。
   


 娘は意を決したように財布を出し、その中からあっさり国民身分証明書を出して警察に見せました。すぐに帰ってきた証明書を手にして娘は下を向き呟くように、写りが悪いから見せたくなかったのにぃ、とおっしゃいました。わたくしは理由はわかりませんが、何故か残念だと思ったのです。

 終点チェンラーイに着くと当然皆様降りられるのですが、わたくしの横に座っていた欧米系のにーちゃんが立ち上がりました。そしてそのサッカーのユニフォームみたいなシャツには、山形特選米、○○○○(忘れた)、と書いてあります。

 わたくしはこの国で安直な日本語ブームを是正し、その書かれてある事の意味を説明し辱め言語的トラウマを刷り込む方針を最近取っておりますので、そのおそらくバンコクで買ったであろうシャツの胸の部分を指さし、やまがたとくせんまい○○○○、と読み上げました。
  


   
 ええわたし山形にいました、事もあろうにその欧米系の兄ちゃんは流暢な日本語で言いました。さあ大変、カウンターでトラウマを刷り込まれたのは私の方です。じゃあまた、と軽やかな日本語で去っていく兄ちゃんの背中に更に書かれた、平田牧場、と言う文字を読みながら立ち直れないほどのショックを受けた私はそのショックを是正するために、バス出発までに豚顔面肉と発酵ソーセージ炒り卵かけご飯を食い、更に豚串一本とカレー味カオソーイ麺を食ってしまうほど激しく毀れたのでした。
   
  

E-Mail:noboru@geocities.co.jp
(C) 2000 SHIRAISHI Noboru