よいこの読書日記−平成10年4月
読んだ本
04/08 崩壊 1 ゴルバチョフ暗殺・野望篇 落合信彦 集英社文庫
04/19 響きと怒り フォークナー 講談社文芸文庫
04/20 120%COOL 山田詠美 幻冬社文庫
04/21 考えるヒント 小林秀雄 文春文庫
04/22 羊の歌 ――わが回想―― 加藤周一 岩波新書
04/26 崩壊 2 ゴルバチョフ暗殺・欲望篇 落合信彦 集英社文庫
04/29 命の器 宮本輝 講談社文庫
04/29 宿命のきずな パトリシア・ウィルソン ハーレクイン・ロマンス
今月の順位
04/08 崩壊 1 ゴルバチョフ暗殺・野望篇 落合信彦 集英社文庫
よくわからん。まったく持ってこの本をどう判断して良いのかわかりかねます。小説だとすれば事実の裏付けに頼りすぎて小説としての面白さが半減しているし、ドキュメンタリーだとすれば大笑いです。一体、私以外の方はこの本をどう受け止められているのか、聞いてみたいと思いました。
響きと怒り フォークナー 講談社文芸文庫
むちゃくちゃ面白かった。この作品には小説の技巧上における面白さが全て詰まっているような気さえした。毎日新聞F総局のH氏が会ったこともない私のために買ってきてくれたのだが、日本で新聞を取ることがあれば迷わず毎日新聞にしよう、と思うほど感謝している。
04/20 120%COOL 山田詠美 幻冬社文庫
山田詠美の短篇集は一見、どれも似たような感触がするのだが、読み終えてみるとどれも全く違う感触もする。これはきっと山田詠美がある種の意思を持って短編集という形のひとつの作品を作ろうとしているだからなのだろうとおもった。
04/21 考えるヒント 小林秀雄 文春文庫
フランスあたりの現代思想家の紹介者の書いたものを流用し、それをもとにお手軽な仕事をする批評家が多く見られる昨今。小林秀雄の仕事は、原文に立ち帰って凄く正当な、深い考察を展開し、それがまた際だって丁寧です。これは、批評家としての消化力の問題だと思いました。きっと今小林秀雄が生きていたら、ダウンタウンだって素敵に批評するに違いありません。
04/22 羊の歌 ――わが回想―― 加藤周一 岩波新書
この人の書いた『雑種文化』は面白かったが、この人とはお友達になれないだろうな、と思った。
自分の送ってきた人生が、ある種戦中後の日本人の典型のように書いているが、これだけ育ちがいい人が日本人の典型だとはとても思えない。本人がそう思っているのならそれはそれでいいのだが、自分たちで講演に呼んだ横光利一をみんなで寄ってたかっていじめたり、とてもいけないことをしていているのにあまり反省していないところなど、どうもお友達になれそうにない。書いた物は非常に教養にみちあふれてしていいのだが、実生活においての行動はどうもあまりりよく理解できない方だと思った。
04/26 崩壊 2 ゴルバチョフ暗殺・欲望篇 落合信彦 集英社文庫
読んでて今読んでるシーンが米国なのかロシアなのかよくわからなくなります。ワザとわかりにくくしているのか、とも思ったけどどうやら違うようでした。
04/29 命の器 宮本輝 講談社文庫
ユウリ様からいただきました。再読です。宮本輝の随筆はとても高品質です。なんとなく世間のすいも甘いも味わい尽くしたジイさんの書く私小説的短篇のような味わいがあります。こんなにまっとうに市井の人々の痛みにこころ配ることが出来るのだから、売れて当然だと思いました。
04/29 宿命のきずな パトリシア・ウィルソン ハーレクイン・ロマンス
ハーレクイン・ロマンスというものをはじめて読みました。もっとヤリまくりのエロエロだと思ってました。しかしそんな事はなく、読み物としての完成度はそれなりだったので、あなどれないと思いました。
平成10年4月の1等賞
04/19 響きと怒り フォークナー 講談社文芸文庫
平成10年4月の2等賞
04/20 120%COOL 山田詠美 幻冬社文庫
平成10年4月の次点
04/21 考えるヒント 小林秀雄 文春文庫
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