よいこの読書日記−平成10年7月
読んだ本
07/03 ネクサス ヘンリー・ミラー 集英社世界文学全集
07/05 坊ちゃん 夏目漱石 新潮文庫
07/06 海の見える町 伊藤整 新潮社
07/10 ゴリオ爺さん バルザック 新潮文庫
07/11 笛 鈴蘭 野上弥生子 岩波書店
07/12 荻窪風土記 井伏鱒二 新潮文庫
07/14 予告された殺人の記録 G・ガルシア=マルケス 新潮文庫
07/20 脳死再論 立花隆 中公文庫
07/22 蛇を踏む 川上弘美 文芸春秋平成8年9月号
07/24 月山・鳥海山 森敦 中公文庫
07/30 水晶のピラミッド 島田荘司 講談社文庫
今月の順位
07/03 ネクサス ヘンリー・ミラー 集英社世界文学全集
さて、日本に来たものの、思うように仕事が見つからない私としては、このミラーのようないつまでも売れずにプーとして女の金で日々を過ごしている藝術家がうらやましく思えると同時にかなりシンパシーを感じました。このころの私は凄く弱かったようです。
07/05 坊ちゃん 夏目漱石 新潮文庫
よくよく考えてみれば、ちゃんとこの作品を読んだのははじめてのような気もするのですが、非常にいい作品だと思いました。長さとしてもそう長くはないし、簡潔で、良くできてます。
07/06 海の見える町 伊藤整 新潮社
短編集。長編『若い詩人の肖像』と重複しているような短編も見受けられるが、いろんなタイプの短編が集められており、伊藤整という人の懐の深さがうかがえた。ちなみにこれ、世田谷区笹塚の古本屋にて百円で買いました。ハードカヴァーです。世の中安くお買い物しようと思ったら安くお買い物できるものだな、とつくづく思いました。
07/10 ゴリオ爺さん バルザック 新潮文庫
あまりよくハマれずについつい流し読みしてしまったが、悲しい爺さんの執着はよく伝わった。もしかしたらちゃんと読んだ『谷間の百合』より面白かったかもしれない。
07/11 笛 鈴蘭 野上弥生子 岩波書店
野上弥生子という方はこの作品集を読む限りとてもすてきな女性だと思いました。私はこの方とやりたいと強く思いました。
07/12 荻窪風土記 井伏鱒二 新潮文庫
このじじい、ボケているのではないか、と思えるような微妙なトビ方ができる文章に不思議な味がありました。
07/14 予告された殺人の記録 G・ガルシア=マルケス 新潮文庫
とてもよくできたミステリーです。大して長くはないのに構成が巧みで時制の使い方がとても面白かったです。
07/20 脳死再論 立花隆 中公文庫
脳が死んだら息の根止めていただきたい、と思っていたが、何をもって脳が死んだか判定する問題が、これほどややこしいとは思わなかった。
めずらしく立花隆がムキになってて面白い。
07/22 蛇を踏む 川上弘美 文芸春秋平成8年9月号
面白いのか面白くないのかよくわからなかった。これはもしかしたら私のように蛇を怖い、と思わない人間にとっては全然面白くないのではないだろうか。
このかたは『神様』という作品の時にも同じような印象をもったので、もしかしたらこの先ずっと私の中ではこのままの印象の方なのかもしれない。文章はよかった。
07/24 月山・鳥海山 森敦 中公文庫
なんとなく山というものはとても恐ろしいものなのだな、とあらためて思いました。
07/30 水晶のピラミッド 島田荘司 講談社文庫
オールスパイスの鈴木様にいただいた本。納得したような、納得しないような謎解きでした。
平成10年7月の1等賞
07/14 予告された殺人の記録 G・ガルシア=マルケス 新潮文庫
平成10年7月の2等賞
07/03 ネクサス ヘンリー・ミラー 集英社世界文学全集
平成10年7月の次点
07/24 月山・鳥海山 森敦 中公文庫
6月↑/
8月↓
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