よいこの読書日記−平成10年9月
読んだ本
09/04 死刑囚最後の瞬間 大塚公子 角川文庫
09/05 オールスパイス23 オールスパイス
09/06 オールスパイス24 オールスパイス
09/10 怪談・奇談 ラフカディオ・ハーン 角川文庫
09/11 ぐうたら生活入門 遠藤周作 角川文庫
09/12 死定席 森村誠一 中公文庫
09/17 氾濫 伊藤整 新潮文庫
09/23 徳川家康 松本清張 角川文庫
09/23 時代の流れとともに−人物点描− 石川達三 新潮文庫
09/26 酸素 大岡昇平 新潮文庫
09/29 不良の木 北方謙三 光文社文庫
今月の順位
09/04 死刑囚最後の瞬間 大塚公子 角川文庫
この頃、毎日12時間岩手県の某工場にて働き、8時間寝て2時間ほど自分の作品製作とタイ語のお勉強をするという日々を送っていた私にとって、死刑囚の生活は他人事とは思えなかった。
人を殺した罪を死んで償えるとは思えないが、死なずにどうやって償えるか考えるととても難しい問題だと思った。
この本には死ぬ前に反省する方とか、死ぬ直前や、死んでいっている最中までも反省せずに死んでゆく方などがいて死刑囚にもいろいろいるのだと思った。
09/05 オールスパイス23 オールスパイス
『Purplish Pain』『君の帰る場所』『狐宮迷路』の順に面白かった。
09/06 オールスパイス24 オールスパイス
『藤蝶』『おなかが痛いときは、病院へ行こう』『Bour
Bon(Whisky) Bugsful』のみっつが面白かった。漫画は『風の向こう側』が奥深く面白くなってきたと思った。
09/10 怪談・奇談 ラフカディオ・ハーン 角川文庫
ハーンは個人的にとても尊敬できる方なのですが、この人がもし日本語で書いたなら、日本語ももっと面白くなったかもしれないと思いました。
ぐうたら生活入門 遠藤周作 角川文庫
なぜか読んでて恥ずかしくなる。まるで原田宗典の随筆を読むような恥ずかしさに近い。それは、書いてある内容でわが身を省みて恥ずかしいのではなく、このような文体で随筆を書いてしまう自分を想像するだけでとても恥ずかしいというだけなのだが、この本がでた当時、遠藤周作はこういったキャラクターで受けていたのだと思うとそういう時代自体も恥ずかしく感じる。でも、随筆としてはけっしてつまらないものではなかった。
09/12 死定席 森村誠一 中公文庫
もうタイトルを見ただけでこの作品の内容がどんなものだかある程度推測がつくのですが、オチも決してその推測を裏切ることはありません。しかし、作品構成自体は非常にこなれてて巧みでかつ完成度が高いのでとても面白かったです。
09/17 氾濫 伊藤整 新潮文庫
この世はリアルな俗物ばかり。この作品に出てくる人間すべてが『東京大学物語』の村上直樹みたいな小説。ほんとに身も蓋もない内容なのだが、生産社会が丁寧に取り上げられててツボにはまった。
09/23 徳川家康 松本清張 角川文庫
質素倹約という家康の生活信条が日本に来て10キロ以上もやせた身体に浸みた。松本清張は、武士は生産社会に全く貢献しない、とすっぱり断言し、いたずらに美化したりしないところがいい。さすが苦労人。
09/23 時代の流れとともに−人物点描− 石川達三 新潮文庫
なんかねらいとしては村上春樹の『回転木馬のデッドヒート』に似たようなものがあるが、ひとつひとつが短く時間的にスパンが長いのでお得な気分になってしまう。
09/26 酸素 大岡昇平 新潮文庫
方法的にすごく面白い作品でした。生産社会を取り扱っていて、工場労働者の私のツボに入ったということもありますが、左寄りでかなり複雑な人間の内側が簡単かつ明瞭に深く書かれていると思いました。
09/29 不良の木 北方謙三 光文社文庫
ミステリとしても面白いが、男の生き様的なものがとても眩しくて、この作品をため息つきながら満員電車で読んでいるサラリーマンの姿が目に浮かぶほどだった。それだからこそ北方謙三は売れるのだろうと思った。しかし、実際の北方謙三がこれほど眩しいおっさんかどうかは私は知らない。
平成10年9月の1等賞
09/17 氾濫 伊藤整 新潮文庫
平成10年9月の2等賞
09/26 酸素 大岡昇平 新潮文庫
平成10年9月の次点
09/23 徳川家康 松本清張 角川文庫
8月↑/
10月↓
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