よいこの読書日記−平成12年04月
読んだ本
04月01日 水滴                       目取真俊 文芸春秋平成九年九月特別号
04月09日 路上                       ジャック・ケルアック 河出文庫
04月11日 九州芸術祭文学賞作品集 30              財団法人九州文化協会
04月12日 母の肖像                     パール・バック   新潮文庫
04月12日 間抜けの実在に関する文献         内田百閨@   福武文庫
04月13日 かわいい女・犬を連れた奥さん        チェーホフ     新潮文庫
04月13日 弓の部屋                     陳舜臣     講談社文庫
04月14日 林芙美子傑作集(一)              林芙美子    新潮文庫
04月28日 ジャズと爆弾                   中上健次 村上龍 角川文庫
今月の順位


04月01日 水滴                       目取真俊 文芸春秋平成九年九月特別号
 今年九州グランドチャンピオンになれなかったので、三年前の九州グランドチャンピオンになった作品を古本屋で見つけ、読んでみることにした。非常に品質が高く、面白い作品だったので、九州グランドチャンピオンになるのは大変だと思った。
04月09日 路上                       ジャック・ケルアック 河出文庫
 ディーンのようにあっちこちに後先考えず子供を作ったりしてはみたいけど、結構この期に及んで私は後先考えてしまう方だと自分でも思う。私はしょせん主人公サルのように、この先いろんな人のいろんな後先考えてない行動を見続けていくにしか過ぎないのだろうなと思う。
 もし仮にもう一度人生をやり直せたら、ヤンキーになって学校シメてシンナーやって18くらいで父親になり、二十二で離婚する、とかやってみたい。
04月11日 九州芸術祭文学賞作品集 30              財団法人九州文化協会
 去年のやつ。今年は何故か五冊も送ってきた。九州グランドチャンピオンの福岡市代表『裸』、とっても面白い。非常に良くできた作品で一等賞になって当然かと。あと、熊本県代表『十七回忌の雪』が印象に残った。とても四〇代の農業やっているオヤジが書いたとは思えないほど深みのあるエロ文。あとひとつ沖縄県代表の『告別式』、とにかく笑いを取ろうという作者の意図がはまってて良かった。残りの作品は全体的に不妊とか離婚とか題材が似通っていたような気がする。で、わたくしの作品については、ちょうど一緒にいて私が読んだ後この本全部読了した、友人の犬巻カオル先生に、あり得ない話を非常にそれらしく書いていて、この中で一番生産性のない作品、と言うありがたい御言葉をいただきました。まったく持ってその通りかもしれません。
 で、選評の中で、ケレン味と言う言葉が使われていたのですが、その言葉の意味がわかりそうでわかりません。国語辞典持っている方、誰か教えて下さい。
04月12日 母の肖像                     パール・バック   新潮文庫
 布教というものは大変なのですね。しかしこのお母さんは中国で酷い目に遭いながらも別にそれを環境のせいにすることもなく、ヒステリックに前向きです。神を信じてやっていると言うよりも、カリカリしながらムカツクからやっていると言った感じでした。キリスト教というものはおそらくこのような人ばかりが布教しているのではなく、例えば遠藤周作の作品何かだったらもう少しヒステリックじゃない布教をする方もいらっしゃるのでしょうが、僕にはこのヒステリックさがとてもまっとうに感じられました。見習いたいものだ、と思いました。
04月12日 間抜けの実在に関する文献         内田百閨@   福武文庫
 オウ、このジジイおもろいで。漱石の弟子らしくて、たしかに文章は上手いけど、何か漱石みたいにいらん事でぐじゅぐじゅ悩まん。で、権威に対しては懐疑的でもなんでもなく、どうでもええと思てるみたいなんで、ゆうことが突き抜けとって、全然古くない。
04月13日 かわいい女・犬を連れた奥さん        チェーホフ     新潮文庫
 チェーホフの短編集。それぞれ頭にコツン、と来る。あまりがつんと来ることはない。でも読んでてまあ気持ちいい。でもおそらくあまり記憶には残らないだろうが、思い出したくなって再読したくなる種類の短編集だと判断。
04月13日 弓の部屋                     陳舜臣     講談社文庫
 私が日大文芸賞を取った作品はミステリーのつもりで製作したと日頃公言しているのだが、誰も信じてくれない。で、たまにそんなことを言われたりするとミステリーという属性区別に懐疑的になっていわゆるミステリーと呼ばれるものを久しぶりに読んでみたりする。この作品も読んでてああこれがミステリーなのだとは思ったが、それよりも戦後から高度経済成長期にかけてのミステリーに出てくる若い女はどうしてこんなにパターン化してるのだろうか、と、そっちの方が気になった。このタイプの女の伝統は、赤川次郎にしっかりと受け継がれている。
 
04月14日 林芙美子傑作集(一)              林芙美子    新潮文庫
 初読芙美子素敵藝道懐激深作品世界広大女性性膨大現代言語藝人糞芙美子大好未読長編期待一日一善日々研鑽精力善用想像妊娠。
04月28日 ジャズと爆弾                   中上健次 村上龍 角川文庫
 再読。対談集。二十三年前の対談。何かとりとめもない話のような感じでも、現状を省みてみればとても興味深い内容。村上龍はこのころからここと言うところであまり執着心がなく今と変わらないが、外見的にはびっくりもの。二十年で男というものは太るものなのですね。しかし凄いなあ二人ともこの写真。中上はまあいつも通り左的に理屈っぽく、右的に愛国。このころ執筆中だったらしい『枯木灘』を、野球場で相撲取っているような話、と解説している。そういう姿勢で執筆していたのかと思うと、やっぱり天然ではなく養殖系のただ者ではない。しかし、巻末に載ってる短編、村上龍のヤツ今読んだらあまり面白くないぞ。昔は面白いと思ったのに。

成12年04月の順位
一等賞
04月01日 水滴                       目取真俊 文芸春秋平成九年九月特別号
弐等賞
04月14日 林芙美子傑作集(一)              林芙美子    新潮文庫
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04月12日 間抜けの実在に関する文献         内田百閨@   福武文庫
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