藝道日記。(平成 12/03/14)
平成十二年三月十四日

 朝AG様のおうちで目覚め、一度うちに帰り洗濯、メール等いろいろな雑用をすませてカオサンのテラスゲストハウスに行く。出発三時間前にはつく。しょうがないので、パソコンを広げてデータの整理。

 リンダ姉さんと三角枕のお話をしていたら時間になったので、ミニバスに乗る。バンランプーにある砲台前に連れていかれる。ミニバスの中は全部で四人。スペイン人♀とデンマーク人♂のカップル。オーストラリア人♂の三人。砲台前で待っていると別のミニバスで日本人の知人♂が来る。
 


おビールごちそうさまでした(右)。


 デンマーク人は既にもうできあがっている完成状態で、凄くハッピー。待っているだけで象ビールを二本ほど胃に流し込んでいる。私もご馳走になる。

 結局バスが来て出発したのは十九時半。まあだいたいいつものことである。長距離バスはだいたい待ってろと言われた時間から出発まで一時間ほど待たされる。バスの中で二十三日の夜偶然出会い、酷く心ひかれたきょうこ様(仮名)がいる。隣の席が空いていたので無理矢理座る。きょうこ様(仮名)はアフリカ系イギリス人で、とてもスマートな印象の方である。
 


 動き出したバスの中で、きょうこ様(仮名)はブッタターサ比丘の英語翻訳された本を読みはじめた。私も本を読み始めるがすぐに読書灯どころか車内すべての電気が消される。しょうがないのでパソコンを開けてメールを書く。きょうこ(仮名)様が日本の音楽が聴きたい、と言われるのでとりあえず昨日パソコンに入れたばかりの椎名林檎を聴かせる。


 必然的に電池が無くなり、パソコンをしまう。寝ようと努力していると寒くてなかなか寝れない。それは私がいいカッコをして自分の毛布をきょうこ様(仮名)と一緒に来ているイギリス人の男の子に貸してあげたからだ。まだ予備があるだろうから貰えばいいや、と思ったのだが、事もあろうにこのバスは乗客一人分だけ毛布が足りなかったのだ。

 横になって休んでいると寝返りを打ったきょうこ様と寄り添うような形になった。彼女は私の顔を見ながら自分の腕を差し出してくれる。どきどきするがせっかくなのできょうこ様の腕にしがみついて暖をとる。彼女のドレッドヘヤーが頬にちくちく当たって何となく心地よい。


 そのうちきょうこ様(仮名)がヘッドフォンを片方、私の耳に突っ込んでくれる。ソウルっぽい曲で、誰が歌っているのか聞いたが忘れてしまった。と言うより、その時の私にはそんなことどうでも良かった。

 彼女はノースリーブを着ていて、窓から入る月の明かりに照らされた彼女の肌が、とても綺麗なので、その肌をみながら眠りにつく。彼女の肌は月の光や流れる街灯に照らされているのを見ると、肌自体が光を放っているような気がした。
 

平成十二年三月十五日に続く。
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