藝道日記。(平成 12/08/16)
平成十二年八月十六日(水)。


 再びバスが動き出す。ビールの酔いも心地よく、すぐに瞼が重くなる。

 バスの中で左斜め前に座っている日本国籍の女の子がアタッシュケースを開け、モバイル機器を取り出す。A4サイズより少し小さいノートパソコンに、衛生携帯電話がついたもの。あまりソフトが入ってないのよねー、と彼女は言う。聞いてて聞いていないフリをする。
  


 少し遅めにバスは着き、降りて車を探したが、ターミナルまでの手段無し。やむなく弐名の日の丸と、派手な塗装のバンに乗り、チェンマイ市内で下ろされる。バスの値段が知りたいと、娘が一人着いてきて、一緒にソンテウ乗り込んだ。日の丸娘を案内し、とっとと別れて切符買い、エアコンバスに駆け込んで、席に着いたら眼を閉じる。
  

 夢を見たことは見たのですが、チェンマイからチェンラーイまでの道は蛇行している箇所が多かったりしたので、メモを取る余裕もなく忘れました。


 やがて到着チェンラーイに。降りてすぐさま電話かけ、これから行ってもいい? と聞く。受話器の向こうのオーン姐、もちろんいいわ、と即答す。受話器を置いて銀行へ。お金をおろして舞い戻り、待ってるバスに駆け込んで、料金払ってすぐ読書。

 『脱走と追跡のサンバ』読了。

 車掌が伝えるバンマイで、降りてすぐさまバイタクに、跨り二十バーツ払う。途中に寄った雑貨屋で、象ビア一本買ってのち、すぐに再びバイクにて、知った家まで直行す。姐さんいたのでとりあえず、ビア空け二人で世間話。気分上出来かます頃、姐さん突然立ち上がり、おかずを買うと言いだして、二人でバイクにほろ酔いで、跨りアクセル走らせる。そのまま八百屋に直行し、野菜を買ってすぐ戻る。牡蠣のソースでワラビを炒め、出てきたスープを見てみれば、豚肉小松菜タマリンド。一口啜ってそのあまり、美味に張り切り食いまくり、玄米三皿平らげる。食ってしばらく動けずに、ずるずる歩いて水浴場。水浴びながら思い立ち、全裸腕立て八十四回。浴衣に着替えて部屋戻り、本読みながら横になる。胃に集まった血液が、脳裏に霧をかけてゆく、
  


 そしてちゃんと夢は見たんですが、飲みに行ってカラオケよ、とオーン姉さんに起こされたため、メモも取れ無いどころか、すぐに忘れました。

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