藝道日記。(平成 12/08/17)
平成十二年八月十七日(木)。


 二十一時に家を出て、二十二時には店に着き、店を出たのは午前二時、思ったよりも高価な会計。半分以上姐さんに、ご馳走になり店を出て、寒い懐手を入れて、かぞえる全額三十バーツ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 


 なんか船戸与一が来るから、出迎えに行けと言われて指定の喫茶店に行く、喫茶店の駐車場には自分同様売れない視覚的言語藝を製作している面々、もしくは作家志望と言われる人たちが集まっているようだった。知っている顔も何人かいる。全員九州の人間のようでどうやらこの喫茶店は九州にあるらしい。そしてミリタリー調に塗装されたジープが派手に駐車場に乗り込もうとした瞬間、運転席でハンドルを握る船戸与一の顔が見える、凄くおそろしく怖そうな顔だ。皆私と同じように感じたのかジープが近づいてきた途端、蜘蛛の子を散らすように退散し、残ったのは私と数人だけだった。車から降りた船戸与一は真っ先に私の顔を見た。どうやら他の人間は視線をそらせたらしい。私は仕方がないので船戸与一に向かってにっこりと四十四万ドルの笑顔を作る、船戸与一もすぐに笑顔を返すがその笑顔も相変わらずおそろしく怖そうなので、弱ったことになったなあ、とおもう。
 


 慌てて起きてメモを取り、起きあがろうと試みて、頭と胃袋重いのが、思ったよりも深刻で、再び手に取る文庫本。

 『ブンとフン』読了。
  

  
  ようやくなんとか起きあがり、時計を見ると午前九時、そんなにのんびり出来ないと、腕立て始め、汗だらけ、今日は八十五回だけ。寝ぼけた姐さん起きて来て、私は水浴び蹴り込んで、姐さん作る焼き飯を、とっとと食うと、シイユダーム、味付けの、巧みなうまさに感心す、余裕もないまま姐さんの、操るバイクに跨って、見送り別れバス停で、しばらくの間バスを待つ。やがてすぐ来たバスに乗り、運賃払う一〇バーツ。現金残りは二十程、何とかなるので一安心。国内で、最北端のターミナル。着いたらすぐにソンテウの、後尾に立ち乗り風すずし。やがて入国管理局、降りて手続きすぐ済んで、再びソンテウ乗り込んで、すぐに到着国境に。バンコクで、両替済ませた五米ドル、払って緬国入国し、ヘッドフォンだけ買ったのち、すぐに再び入国す。一軒あったサイヴァーカフェ、入ってメルマガ送信し、ターミナルへとソンテウで、バス待ちのあいだ目の前の、一杯五バーツ中華そば、豚肉水牛肉二種類を、何の迷いもなく食って、走り始めたバスに乗り、料金払う二十バーツ。チェンラーイへ、着いてみたなら金足りず、バンコク行きのチケットが、買えない事実にすぐ気づく。慌ててカードで百バーツ、下ろしたついでに飯を食う。豚の顔面肉炒め、発酵練り豚かけた飯、二十バーツを蹴り込んで、すかさず別の店にゆき、カレー味緬をも食っておく。発車時間、ギリギリなんとかバス停へ、さっくりバスに乗り込んで、本の続きを読み始め、そのうち本にはまってく。
  


 『馬鹿一』読了。

 車内で何度も夢を見るのだが、どうしても思い出せずメモも取れない。
 

     
 

平成十二年八月十六日に戻る。
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