藝道日記。(平成 12/05/17)
平成十二年五月十七日(水)。 


 メール書きメルマガページ作成、送信配信更新。泰語メールもチェック送信。午前二時近くに寝る。

 六時半頃起きる。メール作成チェック送信。洗濯洗髪水浴び床掃除。

 十時半から『天使の都』加筆訂正三八/四三。十一時半蜂女(仮名)から電話あり迎えに行く。

 市場の前で待っている三人を無視して米屋に行く、節約米五キロ四九バーツ、餅米一キロ十二バーツを買う。自転車ターンし損ない餅米少し零す。勿体ないと心の底から思う。
 


 四人でお金を出し合い、豚肉二十バーツ分、大根三バーツ人参八バーツキャベツ八バーツ玉葱五バーツ、油一〇バーツ長寿麺二十バーツを買う。

 三人にとりあえず野菜を切っていただき、私は七輪で火をおこす。久しぶりの七輪炭火。適当に麺を茹でて適当に切った食材を胡椒で炒め、こないだ自炊同志から貰ったばかりのお好みソースと青海苔をかけキューピーマヨネーズを添え、鍋から取り分けて四人でひたすら食う。
 

 



 うちには多くの食器がないので、いちいち蜂女ことYUKI様(仮名)が食器を洗って下さり。私は七輪で豚と人参、大根が煮えたぎった鍋に味噌を溶かす。出来た豚汁を洗い上がった食器によそい、ただ食う。

 ネイチブ牡二人はどうしても味噌が口に合わないらしく、唐辛子を入れて食いはじめた。その様子がまるでさして食いたくもないのになんかいろいろと事情があって仕方なく夕方に牛丼屋で夕食をすます新橋あたりのサラリーマンオヤジのようなもの悲しさだと思う。

 


豚汁。


 
 ジョイ君の口には、
合いませんでした。

マヌー君は、唐辛子
さえ入れれば食います。


照れると写りが悪くなります。

 その後YUKI様(仮名)に私のメイクをして貰う。瞼にキラキラも入れて貰う。写真を何枚も撮り、マヌー君が酒が呑みたいと言ったので、YUKI様と二人で近くの雑貨屋に買いに行く。

 行く途中で自分がまだ化粧をしたままなのに気づき、今後のご近所づきあいもあるため必死に顔や口紅を手で擦ったが、キラキラだけは取れず雑貨屋の息子にじろじろと激しく見つめられる羽目になった。
 



昼から宴会セット。

 結局雑貨屋には酒はなく、工場裏のドブ上集落にある雑貨屋迄行き、ホーントーン一瓶七五バーツ氷六バーツRCコーラペットボトル二三バーツスプライト一缶十二バーツ水一本五バーツを買う。ジョーイ様に一〇バーツYUKI様(仮名)に一〇〇バーツくらい出して貰う。マヌー君の分はこないだカラオケ奢って貰ったので私が出す。


 うちにはカップがないからペットボトルでも切って使うか、と思って帰ると、マヌー君がもう既にカッターナイフで見事なペットボトルカップを作っていた。

 そこで酒呑んで音楽聴きながら食休み。私はお裁縫。四時半を過ぎ、マヌー君が十八時から仕事なのでジョーイ君をチャリの後ろに乗せ、二人をバイタクに乗せる。港でお別れ。


お疲れさまでした。


 


カップ。



 ひとりでとっとと戻っていると、橋の下に下半身が繋がったまま泣いている、つがいの犬がいた。傍目にはどちらが牡でどちらが牝なのか全然わからないがどうやら性交中に膣痙攣をおこして抜けなくなったらしい。どちらからともなく引っ張って抜こうとするが片方がいたずらに引きずられるだけで全然抜けない。

 私は自転車を停めて橋の下に降り、その二匹に手を貸すことにした。痛そうに時折泣き叫ぶ二匹の臀部に手を当て、観音開きの仏壇を開けるような動作で強い力を加えるが、二匹は悲しく泣き叫ぶだけである。凄い接合力で二匹は繋がっているようだ。
 


 犬が鳴き叫ぶ声に驚いて近くの家から子供が出てきたので、どうしたらいいだろうね、と聴くと、子供はそれには答えずに家に入っていき、じきに母親と一緒に出てきた。子供が連れてきた母親はバットを持っていて、厳しい表情をしていた。厳しい表情のまま、母親はそのバットを一匹の背中に振り下ろす。

 ベクッ、と言う音がして殴られた犬は大きな声で鳴いたが、不思議なことにその犬の方が牡だと言うことがすぐに判明した。そう、あんなに強い力でくっついていたのに、バットで殴っただけであっさりずるりと抜けたのだ。



 えらく手荒いやり方だと思ったが、無事抜けたのでヨシとするべきなのかもしれない、しかし、全くと言っていいほど人々が野球をすることないこの国に於いて、バットというものは家に置いていることが多いのだが、私は今までそれを防犯護身のためだと思っていた。しかし、もしかしたらこんな風に犬の膣痙攣をなんとかする為に所持しているのかもしれないと思った。
 

 


 家に戻ってメール作成チェック送信。十九時から食事製作。長寿麺入り焼きそば作る。中身は玉子大根の葉キャベツ天かす。作業も出来上がりも面白くなかったので、仕切直し、もう一枚焼く。何かに恨みをぶちまけるように天かすキャベツ玉子全部混ぜてから焼く。粉もソースもマヨネーズも使い果たす。残ったのは青海苔だけ。

 二十時からメールメルマガページ製作するつもりが寝る。
 


 
焼きそば。

最後のお好み焼き。


平成十二年五月十六日に戻る。平成十二年五月十八日に続く。
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